この森に「名前」はない。

●時間●

カレエダには大雑把にわけて二つの時間がある。
モノクロの時間とカラーの時間である。
どういう周期で色が変わるのかは、判然としない。
とつぜん木々、植物、岩などが、
それぞれの個性を持った色を帯び始める。
色は日によって違う。
また空の色も、青や赤、白に黄色というように様々な色がある。

腕時計をつけていた人々の話では、
すべて時計は壊れてしまったということだ。

●tama●

カレエダの多くの場所でtamaが浮かんでいる。
これについてわかっているのは「食べられること」、「かすかに音が聞こえること」、
「大きいものには乗ることができること」、「ほのかにあたたかい」、などである。
どこから発生しているのか、意志があるのかないのか不明である。
また破壊することはできず、消滅もしない。
場所によって数がことなる。
森が深くなればなるほど、tamaの数が異常に増えるといわれている。
オトナの村の一部の人々が「tama学」として、
日夜研究に没頭しているが、
たいした成果は得られていない。

※「オトナの村」については、後述。

●帽子探検隊●
森の住人たちは、子供の頃からだいたい3人で森のなかを旅し続ける。
子供たちは、お気に入りの帽子をかぶっている。
それを見たオトナが勝手につけた名が「帽子探検隊」。
彼らがなぜ旅をするのか。
彼らが「シンピやフシギ」を求めているからである。
彼らは人間が食べ物を食べるように、それらを食べるのである。

「なぜ3人なのか」
「a three of a perfect pair」という言葉があるように、「3」という文字には、
神聖な力が宿っているからだろう。という意見があるが、
ただ、単にバランスがいいからだという説もある。

「どうやって食べるのか」
人間が普段食物を摂取するときのように、
口まで運んで咀嚼するわけではなく、
それは音楽を聴くようでもあり、
風を受けるようでもあり、
星を見るようでもある。

●音楽工場●
工場では水のセイレイが音楽を作り、奏でている。
そのために工場は、すべて水辺に建っている。
セイレイたちの音楽がどのようにして作られ、
奏でられるのかは不明である。
水のセイレイによって奏でられた楽曲は、
工場のスピーカーからどんな時間だろうが、
関係なく不意に森に流れていく。
それは作曲・演奏が森のセイレイの気まぐれによるからだ。

音楽小工場は各地に点在している。
また音楽大工場も存在する。
森の住人たちは音楽が大好きなようだ。

●人間●
森のなかにどれだけの人間がいるか、まったく把握されていない。
人種年齢性別、様々な人たちがいるようである。
どうやって、森へ来たのかは誰もが覚えておらず、
人間の世界への戻り方を知っているものは極めて少ない。
少ないというと語弊がある。「知っているものがいる」という、
噂があるにしかすぎない。

「森に来るためには?」
洋服ダンスのなかから来たのではないか、という説があったが、
多くの大人たちは子供たちのように洋服ダンスのなかに隠れたりしない為、
この説の信憑性は極めて低い。
子供たちの意見は、洋服ダンスや押入れのなかに隠れることはあるが、
よく覚えていないのでなんともいえないということだった。
ほかにも、
「路地説」、「住宅街説」、「ドア説」、「水説」、
「森説」、「臨死体験説」、「死後説」、「夢説」、
「鏡説」、「タイムスリップ説」、「トリップ説」、
等があるが、どれもこれもありそうで真相はわからない。

「オトナの村」
もとの世界へ戻ることを断念した人々は、
各地に独自の村を形成して生活をはじめた。
そのほとんどが原始的な生活の域を脱しないが、
今なお増殖しているいわれる森のひろさを考慮すると、
科学が発達した国や地域があったとしても、
それほど驚くことではない。

●言葉●
森の住人の言葉は人間にはメロディーのように聴こえる。
音色はとてもやわらかく、性格や年齢によって音程がちがう。
住人同志はそのメロディーを使ったり、
思念で相手とコミュニケーションをとっている。
その使い分けがどのような時になされるのかはまだわかっていない。
ただの気分だという説もある。

●動物・生物●
森には動物がたくさん棲息している。
人間界に存在しない動物も多く目撃することができる。。
よく見かける犬は、
森を案内するといわれているが、
何時出会っても睡眠をむさぼっている。
一ヶ月は眠らなければならないともいわれている。
また犬のような猫や、猫のような犬もいる。
昆虫では蝶や蛍が多い。

イヌ→ 森の案内をしてくれるが寝てることが多い。かなり大きなイヌも存在する。
ネコ→ あまり見かけない。
トリ→ インコのようなカラフルなトリが多い。
     井戸端会議が好き。ものすごい早口でしゃべっている。
パンダ→ ピンクパンダはサイダー岩を食べるために、山から浜までおりてくる。
      イエロー、ブルーも存在する。
イヌネコ→ イヌとネコの中間のような動物。謎。
ペンギン→ よく合唱の練習をしている。
シカ→ 水分だけで生きている。肉食、草食ならぬ、「水食」。
イルカ→ 木々の多いところに生息している。

魚類→ 空を飛んでいる。ひれに羽の機能があるようだ。

深海魚のような生物たち→ 謎。

●岩●
この森の岩たちは生きている。
触れると古い音楽を教えてくれる。

サイダー岩→ かじるとサイダーの味がする。炭酸もきいている。
虹岩→ 虹色に光る岩。
巨石→ 名前のとおり巨大なひとつの岩。

●家●
風、水の家が存在する。
けっしてひとつというわけではなく、各地に点在している。

●小船●
森の水辺では小船がよく見られる。
たまに船頭らしきものが乗っているが、
じつは、行き先を告げるか念じれば、
勝手に行き先まで連れていってくれる便利な乗り物。

●風屋●
風を扱っている小屋。
販売しているわけではない。
風は、車でたとえるならガソリンみたいなもので、
船を動かす燃料として用いられている。
また食べられる風も存在する。
風は凝縮されて、色とりどりのガラスの瓶に入っている。

桃色の風→ 食べられる。
大風→ 燃料。
緑の風→ いい匂い。
虹色の風→ 大変美しい。

●植物●
植物については、あまりにも種類が豊富で、
未知の部分が多いため、
ただいま植物学者が悪戦苦闘しております。

その他の報告は、「カレエダ 〜いつかの森で」を参照されたい。

以上はごく一部の情報です。(2008・2・8)